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大学等における産学連携等実施状況についての一考察

先月下旬、文部科学省から、平成20年度の大学等における産学連携等実施状況の調査結果が公表されました。
それによりますと、大学等における民間企業等との共同研究および受託研究の双方とも、
件数および研究費総額が過去最高を更新した模様です。


こうした研究の成果を社会に還元し、活用していくため特許出願をする機会もあるかと思いますが、共同研究や受託研究で得られた成果について
特許出願をする場合、誰が発明者なのか?について注意する必要があります。

例えば、企業Xからの委託で大学Yの教授Y1が研究を進め、成果Zが得られたとします。成果Zに係る発明について特許出願をする場合、
教授Y1が発明者であることには問題はなさそうです。
一方、企業X側としても資金や設備の提供などをしていたとしたら、うちの担当者も発明者に加えるように、といいたくなることもあるでしょう。


ところが、発明というのは技術的な思想の創作ですので、発明者になるためには、技術的な思想の創作に実質的に関与していなければなりません。課題を解決するのに一役買っていなければいけないということです。
したがって、ただ単に資金や設備を提供するだけでアイデアは一切出していないなら、企業X側が発明者になることはできません。


とはいえ、企業X側が資金や設備を提供したのに何の恩恵も受けないというは不自然なことです。
この場合、企業X側は教授Y1から特許を受ける権利の一部を譲り受けて大学Yと共同で特許出願をし、
将来、特許権を大学Yと共有するというのが適切な対応策だと思います。


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